児童養護施設

児童養護施設に入所して5ヶ月:2回目の外泊で太郎が言った事

 

2回目の外泊では…

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太郎を児童養護施設に入所させて4ヶ月ほど経ったとき、1日だけ自宅に外泊させました。それから1ヶ月ほど経ってゴールデンウィークが近づいてきたので、私たち夫婦の間で、ゴールデンウィークの期間だけ、また自宅に外泊させる話が出ました。

 

という訳で、外泊のことを相談するために、児童養護施設に連絡をしました。そして、児童養護施設の先生に、最近の太郎の日常生活を聞いてみたところ、相変わらず勉強はあまりしていないが、施設の手伝いなどは積極的にやっているということでした。

 

とりあえず、普段の生活は真面目にやっているということでしたので、外泊許可が出たため、自宅に4日間泊まることになりました。よく考えると、自宅に泊まるというのもおかしな話ですが…。

 

自宅に戻ってきた初日は、家でノンビリしていました。太郎は中学3年生になっていましたが、太郎より上の兄弟は仕事やクラブでほとんど家にいなかったため、遊び相手は小学5年生の弟しかいません。

 

そのため、家では弟とカードゲームをしたり、テレビを見たりしてノンビリ過ごしていました。本当は、勉強もさせたかったのですが、自宅にいる間だけ強制的に勉強させても、施設に戻れば勉強などしないでしょうから、勉強のことは一切言いませんでした。

 

すると、太郎は「(以前、よく遊んでいた自宅近くに住んでいる友達に)会いに行きたい」と言い出しました。

 

太郎を児童養護施設に入所させる前、一番問題視していたのは、当時よく遊んでいた友達との関係です。友達が悪いというつもりはないのですが、万引きや外泊などを繰り返していた友達と一緒にいる限り、太郎の生活が改善することはないと思っていましたので…。だから、児童養護施設に入所させた一番の理由は、友達と離すことでした。

 

そのことは、児童養護施設に入所にする前、太郎に何度も話していました。ただ、太郎は悪さをするつもりはなかったので、逆に堂々と「友達と会いたい」と言ったのかも知れません。しかし、それだけは認める訳にはいきませんでした。そのため、太郎に「友達には会わせない」と言うと、太郎は素直に応じました。

 

ただ、せっかく4泊もするのに、自宅にいるだけ…というのも勿体ないので、兄弟たちと一緒に動物園へ行き、そのあと繁華街で少しウロウロして帰ってきました。中学生にもなると、動物園はあまり面白くないかとは思ったのですが、繁華街で色々とハプニングがあったりして結構楽しめたようでした。

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それより、太郎が友達に会いたいと言ったのは意外でした。というのも、以前自宅に泊まる話が出たとき、自宅の近くで友達と偶然会ったりするのがイヤということで、自宅に来ることを拒んだことがあったからです。

 

おそらく、私たちと一緒に歩いている所を見られて、色々と噂されるのはイヤでも、一緒に遊ぶのは別なのだと思います。

 

という訳で、5ヶ月ほど太郎を児童養護施設に入所させて、一応真面目に生活をしているという報告を貰っていたましたので、児童養護施設を退所させて、自宅に戻しても大丈夫なのではという考えが頭をよぎることもありました。

 

しかし、やはり太郎の頭の中は、友達と遊ぶことしかないのがハッキリしましたので、自宅に戻すことは出来ないという考えに至りました。児童養護施設で真面目に生活しているといっても、それは児童養護施設に入所する前と比べると…というレベルの話です。

 

児童養護施設では、高校に行きたいと思いながらも勉強などはせず、授業中は寝ていることが多く、イヤなことがあると布団から出てこないこともあるようでしたから…。

 

児童養護施設の先生は、高校へは行かせますとは言って下さっていました。しかし、あまりキツく怒るようなことはなく、クラブへ行くのがイヤだと言って布団から出て来なければ、そのまま放置するような感じでしたから、私は高校へ行くことはあまり期待しないようにしていました。

 

それは、諦めるという感じではなく、焦って太郎に色々と強要しても意味がないと思っていたからです。

 

ただ、私は、何をどうするのが正解というのも分からないままでしたから、中学3年になっても、何ひとつ一生懸命することがない太郎に対して、焦ってなかったというと、それはウソになるかとは思いますが…。

 

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